7月月報

7月

●夢(住処)さがし

・さびしい人が絆を求めて集まるネット社会。

・夢を求めて田舎を出たが、喧騒の中で埋没してしまう都会暮らし。

・Uターンしての田舎暮らしは排他的で、未だになじめない村ハチ社会。

最近の事件報道で感じることは、不安な時代に「安全安心な“住処”」を渇望する現実。

現代社会はどこに住んでいても、現状への不満と将来の不安に押しつぶされそうになる。いわば良心や寛大さを忘れた、圧迫(圧力)社会と言える。地球環境は温暖化だけではなく人間関係など様々なことが圧力・プレッシャー(ストレス)となり“気圧も高く”生き辛くなっていると言える。

例えが悪いが、ボストンマラソンのテロリストは圧力釜を使用した。圧力釜が手製爆弾やテロに使われる理由は、圧力をかける分だけ爆発した時の威力も絶大なのである。

●“絆”と“柵”(ご近所モンスター・LINEモンスター)

私の地元、呉市での16歳少女の事件と山口県周南市の63歳男による凶悪事件、全く違う犯人像だが、意外にも事件の背景には共通(類似)点が多い。

若者の凶行はネットに絡んだ友人関係で孤立することへの恐れ。LINEという集まりから仲間はずれにされるのではという恐怖、加害者にならなければ自分が被害者になりかねない不安感、ネットという増幅装置が孤独と悪意を増幅させた。

一方の63歳の残虐な犯行は集落で孤立してしまった圧迫感が根っこにある。限界集落に近い密接な近隣関係の中での被害者意識、村八分の孤独感が悪意を増幅させ凶行に及んだ。

この恐れ(恐怖感)はいずれも現状への不満と将来への不安によるところが大きく、“不満”と“不安”に『圧迫され』爆発し凶行に及んだと言える。

新聞やメディアが「心の闇」として括ってしまう、“凶悪モンスター・残忍な事件”の根っこを分析すればこんなところではないだろうか。

○LINEの中でのエセ優しさ(偽共感)と被害者意識(絶対許さない「倍返し!」)

安心できる居場所を求めるが、安らげる居場所がない(集落で孤立・LINEでトラブル)

こうした身近で避けて通ることのできないご近所(LINEの場合は依存症的)関係の中で、折り合いが取れずに暴発してしまった結果だと言える。

 

○夏の帰省時期になるとローカルニュースは、都会で暮らす子供世代に訴えるように、家族のあり方について問題提起している。日一日と、更なる高齢化が進む島の老人たちは言う「都会は嫌い」「とてもじゃないが、怖くて住めない」。平地は少なく車の運転(ほとんどが軽トラック)ができなければ生活もままならず、医療機関もないが島が一番。

一見、不自由な生活のようだが、息子が「一緒に暮らそうと」呼ぼうとしても、都会や他の土地で生活する氣などない。

○そんな田舎、山口県周南市の小さな集落で凶悪残忍な事件が起こった。この集落はわずか11世帯で人口は僅かに16人しかいない。この田舎町で生まれ育った63歳の男が、集落での『孤立を深め』5人を惨殺して放火した事件は衝撃である。

携帯電話も通じないし、車の履行さえできないほどの細い道ばかりの集落。高齢者が多く、狭い道を通って他の集落から足を踏み入れる人はほとんどいない。一方で住民同士のつながりは強く、自治会行事等で家族のように頻繁に顔をあわせ鍵もかけずに出かけるなど、身を寄せ合って生活している。この、小さな世界で惨劇は発生した。地域の『絆』家族の「強い絆」という「紐(縛り付けるモノ)」は、縺(もつ)れて「柵(しがらみ)」となる。

ある意味、少子高齢化の原因も、結婚により家族を作ることは「柵(しがらみ)デビュー」になり、自由気ままな生き方の負担になる。伴侶を得て家族を作れば、生活は一変し、その後人生が面倒くさくなる。こうした予想される、「生き辛さ」によるところなのかもしれない。

○家・・住処・・・理想の住まい

住宅メーカーのCMが切なく聞こえる。

「家に帰れば00ハウス」。

ライフスタイルと住まい。これからの快適な住まいづくり。

人生がもっと好きになる暮らし方。快適な住まいのあり方スマートハウス

 

■猛暑と爆弾低気圧の厳しさも不安をあおり、押しつぶされ心が折れそうになるが自然環境には抗いようもない。
クレーム対応も、クレームという圧力、理不尽なクレーマーという悪意に攻撃されても反撃できない現実がある。
「弱者を前面に出すツワモノ」がクレーマーだとすれば、企業・組織は良心的に 対応するしかない。
良心は悪意に対して反発することすら許されない。地に足付けて暴発しないように業務対応して行く“修行”だと思うしかない。