「大衆モンス ター」の襲来とCM放送の中止

「大衆モンスター」の襲来

■CM放送中止
またしても人気のCMの放送が中止に追い込まれた。毎日のように目にするカップヌードルのコマーシャル。「二兎追うものは、一兎をも得ず」矢口真理の自虐ネタに対して批判が集中し、僅か1週間で放送中止に陥ってしまった。
インターネットで増殖した腕力の強い弱者(一般人)がモンスター化しています。こうした無秩序な攻撃「大衆モンスターの襲来」への過剰反応が社会を混乱させています。

●ネットに群がる『大衆モンスター』
企業や組織の些細なミスも許せない!こうした過剰な攻撃は、ワイドショーで話題の芸能人や著名人の不倫に対する追及にも共通しています。
今、患者や消費者・一般市民といった社会的弱者であることを盾にして、些細なミスをとらえ圧力をかけてきます。こうしたネット・SNSを利用した“エセ社会派”とも言える「腕力の強い弱者」の理不尽な集中攻撃に、自由だった社会が畏怖して閉そく感に陥っている。
自分は一消費者(弱者)だが、「不謹慎だ!あるべき姿はこうだ」「その姿勢は許せない」「納得できない」と理想論で企業を糾弾します。
このように“弱者”と“大衆”を振りかざすモンスターはネットという強力な武器を得て、無秩序に連携することで、企業や組織・著名人側を袋叩きにする構図になっています。
要するにブラック企業と名指しされたくない「受け身の企業」VS匿名で反撃されないことをいいことに好き勝手な意見をネットで毒を吐く「大衆モンスター」の無理やりな攻撃に現場は右往左往しているのです。
○私が、特に警鐘を鳴らしたいのは、皮肉にもCMで矢口真理が危機管理の権威でテーマが「失敗から学ぶ」だった事です。今、大衆モンスターの攻撃を恐れて、企業・組織の様々な活動が制限されています。こうした流れが社会に重いグレーな雰囲気を与え「内向き、後ろ向き」になり競争力を失っていることになるのです。

●『備えあれば憂いなし』
突如発生する大衆モンスターの襲来や異物混入などの難渋クレーム。その対応を誤れば、不祥事としてインターネットで瞬時に拡散するリスキーな時代を迎えました。
「ネットに映像を流す(書き込む)ぞ!」理不尽な“大衆モンスター”の襲来です。
増殖する「腕力の強い弱者(消費者)」に対して、企業は、弱腰にならざるをえず、パニック・クライシスに陥る可能性も否定できません。
○危機管理の観点から「失敗から学ぶ」ことができないのであれば、「体感して学ぶ」ことが最も重要になります。「備えあれば憂いなし」、備えがないから憂いてしまうのです。
イザという時に右往左往しないよう「ロープレ研修」などでトラブルや悪質クレーマーを体感し、対応態勢を強化しましょう。